夏恋サテライト
棗にとってストーカーというものは嫌なものでしかなかったなんて。
(※誰にとっても嫌なものです)
1歩間違えてたら特大拒絶を受けてたかと思うと想像で再びダメージが増えた。
私のバカ。
そろそろHPがマイナスにさしかかってきた。
「まあ安心しなよ、俺が知ってる限り棗の元カノって夏川さんだけだから」
「安心できないよ…!?あんな美人でグラマラスな」
「うん、理想的なビジュアルだよね。俺も知った瞬間棗も男なんだなって思」
「いやぁぁぁ言わないで言わないで」
ボンキュッボンという言葉が似合う体型に整ったアイドルみたいな顔。
全部私と正反対。
もし棗の好みがあの子なら、私なんて部屋の隅のホコリレベル。
棗を信じて無いわけじゃないけど、あの子が帰ってきたから私は用済みなんて捨てられたら……
「泣きそう…」
「えやめて?さりち泣かせたら俺消される」
「もう終わりかもしれない」
「さりちって棗絡みになると急に自信なくなるしネガティブになるんだね。まあ学校慣れて女友達できたら解決でしょ。あの子棗に彼女いるの知らないかもだし」