夏恋サテライト

「てか今日寒っ…ぶえっくしゅ!」


「あ、咲鈴……」





廊下で盛大なくしゃみをして顔を上げた時だった。

そうそう、たしかこれで…




「あ、もう1人のナツメ」





私のその言葉を、表情をピクリとも動かさずに瞬きひとつで返す棗。




くしゃみをして顔を上げたところに棗が通りかかった。

これって超奇跡では?運命では?




「…誰、お前」





こうして、私たちの物語は始まった。

ううん、私たちのラブストーリーは始ま

「――つめ、夏目!!!!!」




ガタン!



急に大きな音がしてゆっくりと重たいまぶたを持ち上げた。

なんだ、もう朝…



「いい夢見れた?」


「oh...madam...」


「国語の授業中よ。英語がやりたいなら他所へ行きなさい」

「ハイ、スミマセン」





国語の鬼女教師(担任)のお叱りで目がスッキリした。


谷やん先生また合コン上手くいかなかったのかな。




谷先生。28歳女性未婚絶賛婚活中。




美人だとは思うんだけど、何故かモテない。


神様私のためにもそろそろ谷やん先生に彼氏を。いや旦那を。




< 14 / 201 >

この作品をシェア

pagetop