夏恋サテライト
「てか今日寒っ…ぶえっくしゅ!」
「あ、咲鈴……」
廊下で盛大なくしゃみをして顔を上げた時だった。
そうそう、たしかこれで…
「あ、もう1人のナツメ」
私のその言葉を、表情をピクリとも動かさずに瞬きひとつで返す棗。
くしゃみをして顔を上げたところに棗が通りかかった。
これって超奇跡では?運命では?
「…誰、お前」
こうして、私たちの物語は始まった。
ううん、私たちのラブストーリーは始ま
「――つめ、夏目!!!!!」
ガタン!
急に大きな音がしてゆっくりと重たいまぶたを持ち上げた。
なんだ、もう朝…
「いい夢見れた?」
「oh...madam...」
「国語の授業中よ。英語がやりたいなら他所へ行きなさい」
「ハイ、スミマセン」
国語の鬼女教師(担任)のお叱りで目がスッキリした。
谷やん先生また合コン上手くいかなかったのかな。
谷先生。28歳女性未婚絶賛婚活中。
美人だとは思うんだけど、何故かモテない。
神様私のためにもそろそろ谷やん先生に彼氏を。いや旦那を。