夏恋サテライト
「でも進路を決める頃、夏川の父親は捕まった。きっかけは別件だけど家庭内暴力もバレて夏川は児童相談所に引き取られることになった。」
冬、どちらからともなく別れた。
たぶん、お互いまだ好きだった。
だけど、別れた。
全部全部、夏川さんの父親のせい。
「なんとなく、もう二度と会わない気がしてた。もちろん心配はしてたけど、もう忘れかけてたことだった。…お前がいたから」
「…っ、でも…私には、夏川さんはまだ棗のこと好きなんじゃないかって思えるよ」
一学期が終わるこんな微妙な時期に転入してきて、しっかり棗の隣をキープ。
私の存在にも気づいているのに、棗から離れるどころか遠くから睨みつけてきたり
どこか自分の方が上だとアピールされている気がしていた。
おまけにわざわざ私本人に直接喧嘩を売るような発言をしてきたり。
少なくとも私はすでに苦手だった。