夏恋サテライト
「いま棗の顔見ると涙止まらないの。辛いの。これ以上ひどい事言いたくないのに…っ」
距離を置かないと、心が壊れてしまう
そう思った。
このまま一緒にいて、棗を縛って傷つけたらなんて思うとこうするしかないように思うんだ
「わがままでごめん、引き止めてごめん。でもちょっと…落ち着くまで棗とは会わないね」
ごめん、と言って先に1人家を出る。
棗は何か言いたげだった。でも何も言わなかった。
きっと、私のため。
胸がぎゅっと苦しくなってそのまま泣きじゃくりながら棗の家を後にする。
泣いていいのは私じゃないはずなのに。