夏恋サテライト

「飛鷹棗って名前の響きがまず超好き」


「はぁ?」



「あとほら、字面って言うの?飛鷹棗って書くとほら。なんか超良くない?」


「お前の語彙力じゃなんもつたわんないけどな」




ちょうどいい所に置いてあった小さめのホワイトボードに飛鷹棗と書いて恭ちゃんに見せるも撃沈。




「あ、でもでも私中村恭平っていう字面も好きだよ」


「恭って書けんの?バカなのに」


「何を!なめんな、だてに1年クラスメイトやってないもんね」





私と恭ちゃんは1年生から同じクラス。


すなわち今年で2年目。そして隣の席。



谷やん先生の授業とか小テストで隣の席の人とプリント交換したりして丸つけするじゃん?


だから恭ちゃんの名前くらい見なれてるわけですよ。

そうそう、見慣れて…見慣れ…




「…下の点何個だっけ」


「新しい漢字生み出すな。左1個右2個」




私が書いた未完成の“恭”に手を加えてくれてやっとピンと来た。

そうそう、これこれ。




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