夏恋サテライト

「周りの目なんかどうでもいい。俺がお前のこと捨てることなんて有り得ないから」



「可愛くなくても?スタイル悪くても…?」



「……ばかじゃないの。俺にとってはお前しか可愛くないし死ぬほど痩せてなければ体型なんて気にしない。だから今日からちゃんと飯食え」



「棗の好みがあのグラマラス体型だったらどうしようかと…」

「ばーか」





さっきまでの優しさ糖度120%の飛鷹棗さんが一転、いつものビターブラック棗に戻ってしまったらしい。




私はどんな棗でも大好きだからいいんです。

というか、たまにでる甘さがやみつきなんだよ





「いひゃい」



「本人の前で妄想すんな」



「にゃんでばれたにょ」



「顔」





合宿所から駅まで顧問の先生が車で送ってくれて、電車を待つ今の今まで棗は一度も握った手を離さなかった。




私の存在を確かめるようなぬくもりに胸がぎゅっとなる。


いつもは人前であまり手を繋ぎたがらない棗のその行動ひとつが私の胸をどれだけ騒がせるかなんて、きっとわかってないんだ。




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