夏恋サテライト
「にしてもこんなイケメンよく落としたな。さすが俺の可愛い可愛い妹だよ……君綺麗だね本当に俳優とかやってないの?」
「……何も」
「やめてよお兄ちゃん棗が気まずいでしょ!」
引き下がろうとするお兄ちゃんを無理やり玄関の中に押し込んで背中で扉を封じる。
やっぱり兄は兄だった。
少し見直したのも帳消し。なかったことにして欲しい。
「……ごめんね、本当にうちの馬鹿なお兄ちゃんが」
「いや、いい兄貴じゃん」
「あれが前に棗が嫉妬してた涼介だよ」
「……うるさいんだけど」
いじられたくなかった部分だったらしく棗はジト目で私を睨む。
棗が看病してくれた日のこと、思い出すだけでまだ頬がゆるんじゃうな
「顔だらしない妄想やめろ」
「妄想じゃないよ。回想だよ」
「一緒だバカ」