夏恋サテライト

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「おはよう」



「…お、はよう恭ちゃん」



「気まずい顔やめろ。お前らしくないし席隣なんだから仲良くしてくんね?」



「えへへ、ごめんつい…いつも通りにします」



「まあ俺の事意識してくれるならそれはそれで好都合だけど」

「恭ちゃん!?」




夏休み明け、棗と登校して教室に行けば1番に目が合うのは隣の席の恭ちゃん。




告白してくれた時、明日からも友達でいてと言ってくれた。



と言っても夏休みだったから合宿の後一回も会ってなくてどんな顔をしていいかも分からなくて。




「ふっ、冗談だよ。あー俺も彼女作ろ」


「恭ちゃん今の発言で視線が集まったよ」




うちの学年の三大巨頭である棗、柏崎くん、恭ちゃん。



その一人が堂々と彼女作ろうなんて言うもんだから教室の中の子も廊下を歩いていた子も一気に恭ちゃんに熱い視線を送り出す。




棗は私と付き合っちゃって、柏崎くんは特定の女の子を作らないから恭ちゃんが事実上のトップなのだ。





「咲鈴」



「棗?どうしたの?うちの教室来てくれるの珍しいね!」



「別に…」





棗が私に会いに来るなんて滅多にない。



考えてみれば今まで1度たりともなかったかもしれない。


教室が少しざわざわし始めたのは棗が現れたからだったらしい。




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