夏恋サテライト

「はっ、俺が隣の席だから警戒して来たんじゃないの」



「あ?お前なんか眼中にねえよ」



「よく言うね。ヤキモチ妬きの飛鷹クン」



「棗も恭ちゃんもやめてよ喧嘩しないで」





睨み合うふたりはライオンと虎のような気迫で私まで圧倒されそうだ。


2割だけ私のことで争わないでっ!なんて少女漫画のヒロイン気分で鼻の下が伸びそうな気持ちもありますが。





「棗、外でよ?」


「そのつもりできたけど。お前が戻って来ないから」


「ごめんちょっと話してたの」




教室に着く時棗に荷物置いたらそっち行くねと言ってから確かに10分くらい経ってたかな。



前まで何分経とうが迎えに来てくれたことなんてなかったから胸がキュンキュンしてしまう。





「一限サボるなよ」


「はーい、委員長っ」





教室を出て、今では2人の定番の場所となった空き教室の窓側の席。



棗のことを避けて追い込まれてここで思いが通じあったんだっけ。




今でも昨日の事のように思い出す。


付き合ってからは1日1回はお世話なっているであろうこの部屋に来ると棗と同じクラスになった気分を味わえるからお気に入りの場所なんだ。




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