夏恋サテライト
「負担だと思ってるように見えるの」
「だって……棗いつも顔疲れてるし、最近会う度クマもすごいし眠そうだし」
「逆だよ、バカ」
棗はぎゅっと私を抱きしめた。
最初は優しく包まれてただけだったのに、なぜかだんだん力が強くなって気づけば少し苦しいくらいに。
でもそれが嫌じゃなくて、なぜか泣きたくなる。
「会う度眠そうなのはバイト増やしたから。誰かさんが同棲したいだなんだって言ってるからだろ」
「……っ、私のため、なの?」
「……だからそうだって」
「棗〜すきぃ〜!!」
自分の中の精一杯力で棗を抱きしめる。
離れたくない。一緒にいたい。
そんな私のわがままを実現するために棗は動いてくれていた。
「私ももっとバイトする。毎日コンビニでお菓子買うのやめて貯金する」
「ふっ、できんのかよ」
「うっ…2日に1回にする」
「誤差だな」
「一緒に住みたい、ずっと一緒にいたいから頑張る」
「うん、約束な」