夏恋サテライト
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1yar later...




「おはよう」


「ん……おはよう棗」





目が覚めれば隣に棗がいる。


高校生の私にいっても絶対に信じないであろう幸せな状況がここにある。





今でもたまに長い夢を見てるんじゃないかと不安になるような、そんな幸せな生活。



私と棗は大学2年生になって念願の同棲をスタートさせたのだ。





「おはようからおやすみまで一緒にいれるって幸せだね」


「ああ、アホみたいに口開けて寝る顔ももう見慣れたよ」


「やめて勝手に見ないで…!?」


「隣にいるんだから無理だな」



「明日から毎日棗より早く起きる」

「俺の方が帰ってくるの遅いから無駄」




「…やっぱり棗が帰ってくるの待とうかな」





授業のない日中メインでカフェでバイトしている私に対し、日中に授業を詰め込み夜に塾でバイトする棗。


当然私の方が早く帰宅するし先に寝る日も多い。




できるだけ棗が帰ってくるのを待ってるけど、なんやかんや疲れていて寝てしまうことが増えた。


棗本人も遅くなるから先に寝ててって連絡をくれるんだけど。





「いや先に寝ていいよ。受験シーズン終わったら時間作れるからもう少しだけ待って」





そう言って私の髪をわしゃわしゃと撫でる棗。



棗を待とうにもいつもリビングで寝落ちしてしまって帰宅した棗にベッドまで運んでもらうから、結局棗の負担を増やすだけ。


やはりお言葉に甘えて先に寝させてもらう方が良さそう。




私もたまには棗の寝顔が見たいのに…




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