夏恋サテライト
柏崎にサボる、とだけメッセージを残して、どっかの誰かがいつも飲んでるいちごミルクを買った。
カフェインを取ったら寝れなくなる、そう思っただけ。
別にあいつのことなんかまるで考えちゃいない。
ガラガラ
「あら棗、なにしにきたの」
「寝る。起きるまで起こすな」
保健室に入れば怪訝な顔をした保健医。
兄の嫁。つまり義姉。
「ほどほどにしなさいよ?単位落としたらあたしがあんたのお兄ちゃんに怒られるじゃん」
こいつは無視。いつもうるさいから。
「…あいつには言うなよ、俺がここで寝てること」
「え、今咲鈴にメッセージ送ろうと思ってたのバレた?なになに喧嘩?仲良くしてよ推しカップル」
「…カップルじゃない」
やっかいな事にこの女はあいつと仲がいい。
というか、あいつはだいたいどの教師とも仲がいい。
あの化け物コミュ力も考えもんだ。
「棗が寝に来たって送ろうとしてた、あぶなぁ」
「連れ戻されるかあいつまでここ居座るぞ」
「咲鈴は結構授業は出るタイプだから平気でしょ、教室で寝るけど」