夏恋サテライト

「…い、おい聞いてんの?」


「んぇ」



「チッ、使い物になんねえな。帰るぞ」


「っ、やだ…皆勤賞ぅ」


「馬鹿が。そんなもん貰ってもなんにもならないから捨てろ。」




歩けんのか、なんて聞かれて頷いたら棗ははぁ、とため息をついた。



でたでた、マリアナ海溝ため息。

なんだか嫌われたみたいで悲しくなる。




「ここからならうちの方が近い。来い」


「はえ?」




歩いてきた道と反対方向に向かって進む棗。


最初はフラフラした足でついていっていたものの、気づけば背中におぶられていた。




「ふへへへへ夢みたい…」


「苦しい抱きつくな落とす」




棗の首に回してた腕をきゅっとしめるととんでもない悪態が帰ってきた。


ツンデレ棗、かわいい。



ウトウトしていた私はいつのまにか眠ってしまった。


そして気づけば知らない家の知らない部屋にいたのだ。



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