夏恋サテライト

「どこ、ここ…」




黒いもの多めのシンプルな部屋。



無駄に…といっちゃいけないだろうけど広い。


初めて来たし、こんな家知らないけど…




身を預けていたベッドから香る慣れ親しんだ香り。


ここ、棗の部屋。棗のベッド。




「起きた?」


「棗……夢?」


「現実見ろ。人の背中で爆睡しやがって」




意識のない人間は普段より重くなる、なんて話をされたけど全く入ってこなかった。




「学校は?」


「もう4限終わるな」


「うえぇ!?ぐへ…」




飛び起きて壁の時計を見ると12:30。


そして頭痛とだるさでふたたびベッドに体が沈む。




「ごめん…… 棗の皆勤賞まで…」


「皆勤賞なんかとっくに休んで失ってるけど」


「そうでしたか…」




そうだこの人サボりマンだった。



棗はブレザーを脱いでネクタイまで外しちゃって、上はカッターシャツだけど下はジャージ。



こんなゆるい姿初めて見た




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