夏恋サテライト
「棗、中学の学校行事ほとんど全部で女の子に囲まれてろくな思い出ないらしいよ」
「はぁ、中学の棗か…私もその頃であってたら囲む側にいたかも」
「うける、さりちの距離感バグってるのは昔からっしょ?」
「それもそうだ」
この学校の女の子たちはなぜか棗を怖がってる。
かっこいいんだけど近づきがたいとか、目付きが怖いとか。
いや確かにそうかもしれないけど、全然怖くないのになぁ。
まあおかげさまでほぼ独り占めできてるので文句はありませんが。むしろ大歓迎ですが。
「痩せて美脚になってチア服で誘惑してやる」
「棗が死なない程度にしてやって」
「失礼だな柏崎氏」
「はは、さりちがアホすぎて棗が哀れに思えてくるよ」
柏崎くんは会話の8割何言ってるか分からない。
たぶん私たち2人は相性が悪いんだと思う。
「まあ冗談抜きに最近暑いし、ちゃんとご飯食べて飲み物飲みなよ?これいる?半分飲んだけど」
「いちごミルク…!!だめだめ、体育祭まで水しか飲まないって決めたの」
柏崎くんは私の大好きないちごミルクを見せびらかしてくる。
まったく、類は友を呼ぶって奴だ。棗に似ていじわる。