夏恋サテライト


「そもそも希望者だけどみんなに頼まれたからだし…」



「は?」



「咲鈴にしかできない!とか咲鈴なら絶対似合う可愛いとか言われたらやるしかないじゃん?」





普段は美紗とか恭ちゃんとしか話さないけど、実は他にも友達はいるんだ。


クラスで数人は出さなきゃ行けないチアガール、私しかいないなんて言われたらお調子者の私は二つ返事でOKしてしまう。





「…お前なら断らないと思われてるだけだろ」


「うっ、確かに…」




図星すぎて何も言えない。



棗は私の脳内でも見れているのだろうか。

やめて見ないで全部バレちゃう。




「で、でもほら…さ?男子ってチアとか好きじゃん?棗も普段とは違う私の姿見てキュンと」

「男を一括りにしない方がいいと思うけど」



「うう…」




口論になると棗は強い。



頭の回転も早ければ、なんというか言葉に圧がある。


その点私は語彙力が乏しいので超弱いのである。




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