夏恋サテライト

「借り物も見に来てくれるよね?」



「…気が向いたらな」



「一緒に走ってね」

「変なお題引いてきたら走んないからな」

「えぇ」





神様、どうかこの右手が “ 婚約者 ” もしくはそれに近しい恋愛系のお題を引きますように。





「――おー、変なお題引くなよ?」



「恭ちゃんこそ、ラストなんだからピストルミスらないでね?」



「俺を誰だと思ってんだ、まかせろお前がコケるとこちゃんと見ててやるから」





借り物競争のスタートラインに立てば、スターターを務める恭ちゃんに遭遇。



緊張してたけどなんかやわらいじゃった。




「そのジャージ…」



「あ、脱いでくるの忘れてた。まいっか」





チアをやってた子達はお昼まで着替えられないからそのままの格好で競技に出てる。



私も棗のジャージを羽織ったまま出てきてしまった。




余呉したら怒られそうだけど、汚さないように袖だけまくればいいよね。




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