夏恋サテライト
「えー、ただいまのレース!1着は赤団2年のナツメコンビ~!!」
マイク越しに実行委員の声が響けば、赤団観客席から歓声が上がる。
私は息を整える棗から目が離せずにいた。
「気になるお題は…な、なんと!好きな人~!!これはこれはなんと2学年1のビッグカップルが誕生していたのでしょうか!」
実行委員の男の子はやるぅ!なんて棗の肩をグーパンした。
「喋んなタナカ」
どうやら棗の知り合いだったらしい。
というか私、好きな人ってお題で真っ先に棗を探して連れてきゃうなんて…
こんなの、告白と変わらないじゃん。
冷静に考えたら好きな人なんて異性に限定されてないわけで。
美紗でも谷やん先生でもよかったわけで!
自分のした事を振り返って急に恥ずかしくなってきた。