夏恋サテライト


「ほらよアホ。自分の子ども(笑)の名前くらい書けないとな」




空いてた一文字分のスペースに綺麗な時で “ 漱 ” と書かれた紙が返ってきた。


ぐぬぬ…





「はっ、待てよ?私が書けなくても棗が書けるなら問題なくない?今のとこ」


「はぁ…」


「問題ないね、棗とさりちはニコイチだもんねぇ」


「だよね!棗が頭良くてよかった!」




いぇーい!なんて柏崎くんとハイタッチを交わせば棗は世界一深いであろうため息をついた。


棗お得意のマリアナ海溝ため息いただきました。


瓶に詰めて持って帰りたい、そのため息。




「あ、どこ行くの棗一緒に」


「便所。ついてくんな」

「えぇ」





完全に拒否られて仕方なく椅子に座り直す。


咲鈴ちゃん結構ナイーブなんだからね。





「棗の辛辣さには慣れたもんだよ…はは…」


「じめじめしてんなさりち!ウケる!」




いじける私を見て柏崎くんは大爆笑。


酷いチャラ男だ。




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