パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました



次の日も、やはり会社では落ち着かない。
でも、プレゼンはもう来週末。
びくびく怯えている場合ではない。
それにあんな脅しには屈せずに、二次も最終も通過して絶対に採用され、周囲に認められると決めたのだ。

「あー、ちゅうもーく」

もうすぐ始業時間というときになって課長から声をかけられ、そちらを見る。

「……へ?」

課長の隣に立つ人を見て変な声が出たが、私は悪くないはずだ。
……だって。

「今日からしばらくここで働いてもらう、派遣さんを紹介する」

課長に促され、彼が一歩前に出る。

「駒木です。
よろしくお願いします」

お辞儀をして頭を上げる際、目のあった彼は私にだけわかるように、片目をつぶってみせた。

いやいやいや、あなた、なにしているんですか?
派遣ってなに?
仕事は?

そんな私の疑問をよそに、普通に指示された机に座って駒木さんは仕事のレクチャーを受けていて、頭が痛かった。
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