パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「んー、思ったより花夜乃さんが危険そうだから強引にねじ込んだんで、今日からこられるかはわからなかったんだよねー」

駒木さんはなんでもないように笑っているが、昨日のあれで無理してくれたんだ。

「あとはサプライズ。
花夜乃さん、驚かせたくってさー。
もー、僕の思惑どおりって顔してて、抱き締めたくなるの我慢するのに必死だったよ」

思い出しているのか駒木さんはおかしそうに笑っている。

「だって、いきなり駒木さんが、しかも派遣社員とかで来たら、驚くに決まってます」

笑われるのが不満で、唇を尖らせて抗議した。

「ごめん、ごめん。
そんなに怒んないで。
ね?」

「うー」

可愛く小首を傾げられ、ま、いっかって気になっている私は、甘いんだろうか。

「それに僕、花夜乃さんと同じ職場で働いてみたかったんだよねー。
オフィスラブってなんかいけない響きでドキドキしない?」

なにが楽しいのか駒木さんは笑っているが、私にはまったく理解ができない。

「そうですか」

「うん、そう」

駒木さんが楽しいのならいい……のか?

お昼休みから戻ってきたら、女性社員はもちろん、男性社員の目も冷たかった。
女性社員は昼休み、イケメン駒木さんを私が独占していたから。
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