パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
受け取った書類とデータを確認する。
それらは完璧にできあがっていた。
私だったら一時間はかかるのに。
本当にもう、仕事を全部理解したんだ。
さすが、ミスターパーフェクトは伊達じゃない。

「OKです。
凄いですね、駒木さんは」

私のチェックが終わり、それまで不安そうに待っていた駒木さんは、ぱーっと顔を輝かせた。

「わーい、花夜乃さんにほめられた!」

眼鏡の陰に笑い皺をのぞかせ、本当に嬉しそうで、私までにこにこしてしまう。

「あとはプレゼンの準備だよね?
僕にできることはない?」

「あー……」

実はちょっと、つまずいている。
しかしこれを彼に相談するのはまた、盗人だなんだと言われないだろうか。

「……大丈夫、です」

結局、適当な笑みを貼り付けて彼の顔を見上げる。

「そう?
コピーでもなんでも言ってね」

「ありがとうございます。
そのときはお願いします」

お礼を言って画面に視線を戻す。
うん、駒木さんの気持ちは嬉しいが、やっぱり誰にも頼らないでやらなきゃダメだ。

隣の席の人はすでに帰っていたので、そこに駒木さんが座る。
彼はバッグからタブレットを取り出し、なにやら始めた。

「なに、やってるんですか」

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