パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
第七章 あなたが幸せだと私も幸せ
「じゃあ僕は仕事に行ってくるけど。
絶対に、絶対に、ぜーったいに、家から出てはいけないよ?」

翌日、家を出ていく駒木さんにしつこいくらい、念押しされた。

「はい、わかりました」

「そう、絶対に駒木さんの家を出るな」

さらに彼を迎えに来ていた東本くんからもダメ押しされ、つい笑ってしまう。

「大丈夫だよ、絶対に出ないって。
それより朝ごはんとかありがとう」

今日はモーニングを食べにいく時間がないからと、東本くんが朝食用にサンドイッチと、お菓子やなんか買ってきてくれていた。

「いや、篠永の役に立てたんならいい」

照れくさそうに東本くんが後ろ頭を掻く。

「そこ!
仲良くするのは禁止だよ。
花夜乃さんは僕のだ」

後ろから腕がかかり、駒木さんが私を東本くんから引き離す。
つい、その顔を見上げていた。
こういうヤキモチ妬きなところ、可愛いとか言ったら、怒られちゃうかな。

「ん?
そんなに可愛い顔してたら、キスしちゃうよー」

今日は本気なのか、駒木さんの顔が近づいてくる。
思わず、目を閉じた……ものの。

「……へ?」

鼻の頭をぷにっと押されて、目を開ける。

「ほんとにキスするとでも思ったかい?
花夜乃さんが僕に本気になるまでは、しないって言っただろ」

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