パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
呟いてみたら、ほわっと胸が温かくなって、幸せな気持ちになった。
そっか。
これが恋なんだ。
全部片付いたら、駒木さんに気持ちを伝えよう。
東本くんには……きちんとお断りしなければ。

朝ごはんを食べてテレビでドラマを観ていたら、携帯が鳴った。
駒木さんからで今から帰るということだった。

「もうそんな時間なんだ……」

長時間テレビを観ていて凝り固まった身体を、大きく伸びをしてほぐす。
この家は大手サブスク動画配信会社のほぼすべてと契約している。
おかげで私が契約していない会社の、あれやこれが観られるとあって、つい集中していた。

軽く化粧をし直し、服も着替える。
ただ、休日着じゃなくてオフィスカジュアルなのがな……。
駒木さんに部屋に寄ってもらうように頼んでみようかな。
あ、でも、この分ならここにいるのはあと少しみたいだし……。

「……結婚してこのまま……」

それも、悪くない。

帰ってきたのは駒木さんひとりだった。

「東本くんは?」

「……花夜乃さんは僕より、東本くんのほうがいいのかい?」

みるみる駒木さんの機嫌が悪くなっていく。
彼は私がシートベルトを締めたのを確認し、車を出した。
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