パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「え、そんなわけじゃ。
一緒に仕事に行ったので、一緒に帰ってくるのかと思っただけで」

それになんだかんだいって、東本くんと駒木さん、仲がよさそうなんだもん。
駒木さんも他の人とは違い、気を許している感じがするし。

「僕は今日、オフで休日出勤だったけど、東本くんは最初からシフトが入っているからね。
今日は一日仕事だよ」

まだ駒木さんの機嫌は直らないらしく、若干怒っている。

「そうなんですね。
じゃあ、今日はもうお仕事片付けてきたし、邪魔されずにふたりっきりでデートできますね!」

少しはしゃいで彼をうかがう。
ちょっと、わざとらしすぎたかなと思ったものの。

「そうだね、今日はふたりっきりでゆっくりデートできるね」

へらっとだらしなく駒木さんの顔が崩れる。
案外、チョロかった。

お昼ごはんは個室でフレンチだった。
もうこの頃は、これくらいじゃ驚かない。
それでもメニューで金額を知るのは怖くて、駒木さんにお任せしたが。

「このあとはキッチン用品店に行ったらいいのかな?」

「そうですね……」

今日は、調理器具を買いに行く約束になっている。
でもなんか、駒木さんに任せると業務用とか、職人御用達のお店に連れていかれそうな気がするのは、気のせいだろうか。

< 143 / 219 >

この作品をシェア

pagetop