パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
雑貨店では、取っ手の取れるお鍋とフライパンのセットと、まな板と包丁、あとはあると便利かもとボールとザルのセットを買った。

「これで花夜乃さんの手料理が食べられる……!」

大荷物だというのに、駒木さんはうきうきだ。

「一度、車に荷物を置いてから、今度は服だね」

「そうですね。
というか荷物、私がひとつ持ちますよ」

駒木さんは両手に荷物で大変そうだ。

「いいよ、これくらい僕が持つよ」

しかし彼は荷物を渡してくれそうにない。

「私が荷物をひとつ持ったら片手が空いて、……手が繋げるじゃないですか」

これはまるで好きだと告げているようで、いたたまれない。
おかげで少し怒ったように言い、顔を背けてしまった。

「花夜乃さんは僕と、手を繋いでくれるのかい?」

意外そうに言われ、カッと頬に熱が走る。

「だってさっきまでだって、繋いでたじゃないですか!
それに、警備の関係上というか」

早口で捲したてたものの、あまりに恥ずかしすぎて最後はごにょごにょと口の中で消えていった。

「そうだね、花夜乃さんと手を繋いでいたほうが、守りやすいかも。
じゃあ、お願いしようかな」

「……はい」

駒木さんが渡す袋を、俯いて熱い顔で受け取る。

「それで。
はい」

「うっ」

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