パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
よく来るビルなので、行きつけのお店で服を選ばせてもらう。

「どうですか」

「花夜乃さん、可愛い!
可憐な妖精みたいだ」

私好みの、ふわりとしたワンピースを着て試着室から出たら、駒木さんに絶賛された。

「そ、そうですか……?」

妖精とか言われ、つい照れてしまう。

「ああ、まるで絵本から飛び出てきたみたいで可愛いよ。
ほら、早く次を着て見せて?」

「はい」

上機嫌で試着室へ戻り、次の候補へ着替える。
……しかし。

「可愛い、花夜乃さん!
天使かと思っていたが、実は女神だったのか」

駒木さんの褒め言葉を微妙な気持ちで聞いていた。
どこのお店でなにを着ても、彼はこうやって絶賛してくる。
ただ、毎回、褒め言葉が違うので、その語彙力には感心だ。

「もーいいです」

すっかりやる気をなくし、ショップをあとにする。

「なんでだい?」

すぐに駒木さんも追いついてきた。

「だってなにを着ても駒木さん、褒めるんですもん。
私が微妙だなって思ったのだって」

「それは花夜乃さんが可愛いから、なにを着ても可愛いからだよ」

冗談かと思って彼の顔を見たが、彼は至極真面目に頷いていた。
……ダメだ、この人は私がなにをしようと、手放しで褒めてくるタイプだ。

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