パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「さっき、ピンクと水色、どっちか決められなかったんですが、どっちがいいですか」

少し違うデザインの、ピンクと水色のワンピースを当ててみせる。

「ピンクはお花の妖精みたいで可愛いし、水色は水の精霊みたいで可愛いよ。
だから、両方買おう」

復活したのか、私の腕から二枚を持ってさっさと駒木さんがレジに向かう。
それを仕方ないなと苦笑いで追った。

それでも絶対に似合っていないと思ったのは除外し、当面しのげる……以上の服を駒木さんは買ってくれた。

大量の紙袋を下げて、車に戻る。

「すみません、こんなに買ってもらって」

「いいんだよー。
僕は花夜乃さんになら、なんだって買ってあげる」

その笑顔は飛行機やクルーザーでもねだったら買ってくれそうで、ちょっと怖い。

帰りに近所のスーパーに寄ってもらった。

「家から車じゃなきゃ来られないのは、ちょっと不便ですね」

「そう?」

駒木さんは不思議そうだが、私は免許を持っていない。
そうなるとこのスーパーは駒木さんに毎回、連れてきてもらわなければならない。
……結婚してあそこに住んだら、の話だが。

カートにカゴを乗せて押そうとしたら、駒木さんに奪われた。

「僕が押すよー」

「そうですか」

私が歩く横を、駒木さんが着いてくる。

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