パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
私のガードだけじゃなく、仕事も手伝ってくれる彼にはもう、感謝しかない。

ありがたく、金曜日に保存したファイルを開く。

「……え?」

しかし画面は――真っ白だった。

「えっ、なんで?
うそっ!?」

開けるファイルを間違ったかと見直すが、あっている。
保存しないで閉じたかとも考えたが、やりかけのファイルだったから、真っ白なはずがない。

「なんで?
どうして!?」

「花夜乃さん、なにがあったの?」

パニックになっていたら、駒木さんが私の後ろに立っていた。

「ファイルの中身が白紙になってて……」

どうして、こんなことに?
私なんか間違って、全部デリートした?
しかしいくら考えても、思い当たる節がない。

「花夜乃さん、落ち着いて。
ちょっと場所、代わってもらえるかな?」

促すようにぽんぽんと肩を叩かれ、呆然と席を譲る。
椅子に座った彼は、猛然とキーを叩き、マウスを操作し始めた。

「はい、復元できたよ。
確認して」

「え、ほんとに……?」

駒木さんが安心させるようににっこりと微笑む。
席を替わってもらい、半信半疑で確認したら私の記憶にある、最後のものになっていた。

「うそっ、戻ってる!
ありがとうございます!」

勢いよく振り返り、彼にお礼を言う。

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