パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
男は会社からほど近い、高級焼き肉店に連れてきてくれた。
ちなみに私は、高すぎてこのお店には来たことがない。
「飲み物は?」
席に着くと同時にメニューを広げ、聞いてくれる。
「……ウーロン茶、で」
「わかった。
……ウーロン茶を二つ」
おしぼりを持ってきた店員に、さらりと彼は注文した。
そういうところは、手慣れているように見えた。
それに、飲まないところも少し、好感度が高い。
「なに、食べる?」
「うっ」
肉のメニューを開いてくれたけれど、〝時価〟とか書いてあるのが並んでいて、固まった。
「えっと……」
「遠慮はいらないよ」
遠慮はいらないとか言われても、時価の肉なんていくらするのか想像できなくて、気後れしてしまう。
「僕が適当に頼んでもいいかな」
私が戸惑っているのを察知したのか、彼が提案してくれる。
「……お願いします」
こういうところ、その辺の男性よりもスマートだ。
「そういえば、まだ名前も名乗ってなかったよね。
僕は駒木鷹郁といいます。
二十八歳、公務員です」
頼んだものが出てくるまでのあいだ、彼が改まって自己紹介をしてくれた。
ちなみに私は、高すぎてこのお店には来たことがない。
「飲み物は?」
席に着くと同時にメニューを広げ、聞いてくれる。
「……ウーロン茶、で」
「わかった。
……ウーロン茶を二つ」
おしぼりを持ってきた店員に、さらりと彼は注文した。
そういうところは、手慣れているように見えた。
それに、飲まないところも少し、好感度が高い。
「なに、食べる?」
「うっ」
肉のメニューを開いてくれたけれど、〝時価〟とか書いてあるのが並んでいて、固まった。
「えっと……」
「遠慮はいらないよ」
遠慮はいらないとか言われても、時価の肉なんていくらするのか想像できなくて、気後れしてしまう。
「僕が適当に頼んでもいいかな」
私が戸惑っているのを察知したのか、彼が提案してくれる。
「……お願いします」
こういうところ、その辺の男性よりもスマートだ。
「そういえば、まだ名前も名乗ってなかったよね。
僕は駒木鷹郁といいます。
二十八歳、公務員です」
頼んだものが出てくるまでのあいだ、彼が改まって自己紹介をしてくれた。