パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「でも、駒木さんがすぐに来てくれたから……!」
あのとき、私には駒木さんがまるで、ヒーローに見えた。
「ごめんね、もっと早く駆けつけられたら、たんこぶ作らないで済んだのに」
そっと、確認するかのように彼が私の後頭部に触れる。
それにううんと首を振った。
「たんこぶだけで済んだから、よかったです」
駒木さんが近くにいてくれてよかった。
心の底から、そう思う。
「駒木さんは私の、ヒーローです」
真っ直ぐに、レンズ越しに彼の目を見つめる。
気持ちを口にするなら今だってわかっていた。
けれど、コンペもあんな結果に終わり、本当に私がこんな彼を好きになる資格があるのかわからない。
「僕が花夜乃さんのヒーロー?
それは光栄だね」
眼鏡の向こうで目尻を下げ、眩しそうに駒木さんが私を見る。
「僕は花夜乃さんのためなら、ヒーローでも犯罪者にもなるよ」
「……犯罪者はダメです」
冗談めかして笑っている駒木さんの鼻を摘まんだ。
今日、わかった。
この人は私のためなら躊躇なく罪を犯す。
そこまでの深い愛情は重い。
重いけれど、それだけ愛されているのだと感動すらしそうになる。
しかし、彼に罪を犯させるわけにはいかないのだ。
私がしっかり、しなければ。
あのとき、私には駒木さんがまるで、ヒーローに見えた。
「ごめんね、もっと早く駆けつけられたら、たんこぶ作らないで済んだのに」
そっと、確認するかのように彼が私の後頭部に触れる。
それにううんと首を振った。
「たんこぶだけで済んだから、よかったです」
駒木さんが近くにいてくれてよかった。
心の底から、そう思う。
「駒木さんは私の、ヒーローです」
真っ直ぐに、レンズ越しに彼の目を見つめる。
気持ちを口にするなら今だってわかっていた。
けれど、コンペもあんな結果に終わり、本当に私がこんな彼を好きになる資格があるのかわからない。
「僕が花夜乃さんのヒーロー?
それは光栄だね」
眼鏡の向こうで目尻を下げ、眩しそうに駒木さんが私を見る。
「僕は花夜乃さんのためなら、ヒーローでも犯罪者にもなるよ」
「……犯罪者はダメです」
冗談めかして笑っている駒木さんの鼻を摘まんだ。
今日、わかった。
この人は私のためなら躊躇なく罪を犯す。
そこまでの深い愛情は重い。
重いけれど、それだけ愛されているのだと感動すらしそうになる。
しかし、彼に罪を犯させるわけにはいかないのだ。
私がしっかり、しなければ。