パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
最終章 パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
朝、目を開けたら駒木さんの顔が見えた。
「おはよう」
私の鼻をぷにぷに押し、彼がにっこりと笑う。
「今日は会社、休みなよ。
もうアイツは会社にいないけど、疲れてるでしょ」
駒木さんの気遣いが嬉しい。
けれど。
「行きますよ。
これくらいで休むなんて、負けた気がするから嫌です」
それでなくてもコンペはダメだった。
もっと、もっと頑張らなければ。
「そういう花夜乃さん、好きだよ。
でも、頑張りすぎてポッキリ折れちゃわないか、僕は心配だな」
その言葉どおり、駒木さんが眉間に皺を寄せる。
「私は頑張りすぎてなんか……」
ううん、隙を見せたらダメだって、男性に――女性にも気を許さなかった。
周りに認められるんだってそればっかりで、他にはなにも考えていなかった。
「……ポッキリ折れても、いいですか」
気づいた途端、弱音が口から落ちていく。
「いいよ」
手を伸ばした駒木さんは、私を抱き締めてくれた。
温かな腕の中でゆっくり呼吸をすると、ずっと頑なだった心がほぐれていく。
「昨日のプレゼンで、可愛い子が思いつきで作った可愛いものって言われて」
「なにそれ、酷いね」
怒りを含んだ声が聞こえ、顔を上げる。
「おはよう」
私の鼻をぷにぷに押し、彼がにっこりと笑う。
「今日は会社、休みなよ。
もうアイツは会社にいないけど、疲れてるでしょ」
駒木さんの気遣いが嬉しい。
けれど。
「行きますよ。
これくらいで休むなんて、負けた気がするから嫌です」
それでなくてもコンペはダメだった。
もっと、もっと頑張らなければ。
「そういう花夜乃さん、好きだよ。
でも、頑張りすぎてポッキリ折れちゃわないか、僕は心配だな」
その言葉どおり、駒木さんが眉間に皺を寄せる。
「私は頑張りすぎてなんか……」
ううん、隙を見せたらダメだって、男性に――女性にも気を許さなかった。
周りに認められるんだってそればっかりで、他にはなにも考えていなかった。
「……ポッキリ折れても、いいですか」
気づいた途端、弱音が口から落ちていく。
「いいよ」
手を伸ばした駒木さんは、私を抱き締めてくれた。
温かな腕の中でゆっくり呼吸をすると、ずっと頑なだった心がほぐれていく。
「昨日のプレゼンで、可愛い子が思いつきで作った可愛いものって言われて」
「なにそれ、酷いね」
怒りを含んだ声が聞こえ、顔を上げる。