パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「あ……」

携帯を手に取ったら、伝言代わりなのか駒木さんからメッセージが入っていた。

【会社には休みって連絡しておいたから、気にしなくていいよ】

【今日は夜、美味しいものを食べに行こう。
なにを食べたいか考えておいて】

【家政婦さんは今日、断っておいたから、ひとりでゆっくりしてね。
出掛けるんだったらリビングのテーブルの上にお金を置いといたから、それ使って】

【じゃあ、いってくるね】

最後に、いつもの眼鏡男子のスタンプで、「愛してる」と貼ってある。

「お小遣いとかいいのに」

わざと素足でペタペタと歩きリビングへ行ったら、ペーパーウェイトで押さえて一万円札が数枚、テーブルの上に置いてあった。

「とりあえず、なにか食べよう」

時刻はもう、ほぼお昼だった。
顔を洗って基礎化粧品をつけるだけして、冷蔵庫を開ける。

「作るの、面倒だな……」

駒木さんがつまみに置いてあるチーズと、ウィンナーの袋、あとは牛乳パックを掴む。
ソファーに座り、適当に選んだ映画を観ながらそれらを食べて飲んだ。
牛乳はパックから直接だ。

「あー……」

なにも、したくない。
もう、なにも。

ひたすらぼーっとテレビを眺めていたら、駒木さんから電話がかかってきた。

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