パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「なんだ、先に食べてなかったの?
それとも、好きなのじゃなかった?」

少しして寝室から出てきた駒木さんは、不安そうに私の隣に座った。

「……食べさせて」

甘えるように肩から彼に寄りかかる。

「今日の花夜乃さんは甘えさんだね。
ほら、あーん」

「あーん」

呆れられるかと思ったが、彼は笑いながら私に料理を食べさせてくれた。

「お腹、いっぱーい……」

お腹も満たされると、今度は眠くなってくる。

「ごはん食べてお腹いっぱいになって、うとうとするなんて花夜乃さんは子猫かな?」

膝の上に頭をのせ、うとうとしている私の頭を駒木さんは撫でてくれた。

「子猫に、なる……」

「……ほんとに?」

急に駒木さんから笑みが消え、真顔になる。

「花夜乃さんは猫になって、僕に飼われるかい?」

それは、いつかと同じ問いだった。
じっと私を見つめる、眼鏡の向こうの目には少しもふざけた様子はない。

「……駒木さんに猫として飼われたら、どうなるんですか」

どくん、どくん、と心臓が自己主張を繰り返す。
喉がカラカラに渇き、無意識に唾を飲み込んでいた。

「目一杯、花夜乃さんを甘やかすよ。
警察を辞めて、花夜乃さんとふたりで過ごすのも悪くない。
そしてこの身体に」

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