パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
彼の指がとん、と私の胸を突く。

「えっちなことをいっぱい教え込んで、花夜乃さんを僕に溺れさせて、僕なしじゃ生きられないようにしてあげる」

彼の目が、愉悦を含んで歪む。

……駒木さんに依存して、彼なしでは生きられないようになる。

それが、悪くないと思っている私がいた。

「……いいですね、それ」

駒木さんがうっとりと私の頬を撫でる。
たぶん私も、同じ顔をして笑っている。
なにも考えずに、ただ彼に飼われる生活は、今の私には魅力的に見えた。

「僕はいいけど、花夜乃さんは後悔、しない?」

「……え?」

するりと離れていく手を、ただ見つめた。
きっと、彼は喜んでくれるだろうと思っていたのだ。
なのに、後悔しないかなんて聞かれるとは思わない。

「僕はいいよ、花夜乃さんが僕に依存して、僕なしでは生きられるなるなんて、本望だもん。
でも、花夜乃さんは本当にそれでいいの?」

「わた、しは……」

じっと駒木さんが、レンズの奥から私を見つめる。
その目は、自分の気持ちと向き合いなさいと訴えているように見えた。
私の本当の気持ち?
私は、見た目じゃなく中身で評価されたかった。

「……駒木さんはなんで、私が好きなんですか」

起き上がって彼の腕を掴む。
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