パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「……ありがとうございます、駒木さん」

彼はこんなにも私を気遣ってくれる。
他の男の人とは違っていて、駒木さんを好きになってよかった。

「あ、そうだ」

うとうとし始めていたら、いきなり駒木さんががばりと勢いよく起き上がる。

「忘れるところだった。
これにサインしてくれるよね?」

唐突に現れた婚姻届とペンを、困惑気味に見つめた。

「あー、そう、です、ね」

そっか、本気になったら結婚してあげるって約束したもんね。
しかし、いろいろすっ飛ばしすぎじゃない?
ま、いいけれど。

「サインはいいんですが、その前に駒木さんをうちの両親に紹介しないといけませんよね。
私も、駒木さんのご両親にご挨拶しないといけませんし」

サイドテーブルの上で、妻の欄を埋めていく。

「あー、そうだね……」

携帯を手に取り、彼はなにやら確認していた。

「今度の日曜なら休みだけど、いきなりすぎるかな」

少し、困ったように駒木さんが笑う。
それだけでキュンとしちゃうのって、惚れているからなんだろうか。

「明日、両親に聞いてみますね」

「うん、よろしく頼むよ」

今度こそ寝ようと促され、一緒に布団に潜る。

「駒木さんのご両親にはいつ行きます?」
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