パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
駒木さんが焼けたお肉をぽいぽい私のお皿に入れてくる。
タレをつけて頬張ったそれは、口の中に甘い脂の味が広がり最高だった。
「……いくら頑張っても、男にやってもらって手柄を独り占めしてるって、他の女性社員から言われるんです」
はぁーっと私の口から物憂げなため息が落ちていく。
自分の現実を思い出し、せっかくの高級肉が色褪せていった。
「それは酷いな。
花夜乃さんはきちんと頑張って、自分でやって受けた評価なんだろ?」
「そう……です」
駒木さんは怒っていて、思わずその顔を見ていた。
今まで私の愚痴を聞いた人は多かれ少なかれ、言いたい人には言わせておけと私に我慢を強いたのに、彼は違った。
「そんなヤツは名誉毀損で逮捕だ、逮捕!」
「そうですね、逮捕です!」
真面目に頷く彼がおかしくて、つい笑っていた。
私の話をちゃんと聞いてくれ、怒ってくれたのが嬉しくて、駒木さんに対する警戒がかなり緩んだ。
「ちょっとだけ、飲もうかな」
「いいのかい?」
「はい」
差し出されたメニューを受け取る。
駒木さんのおかげでかなり気分は晴れたが、もうちょっと気晴らしをしたい気分。
一杯くらいなら問題ないはず。
……などと思ったはずなのに。
タレをつけて頬張ったそれは、口の中に甘い脂の味が広がり最高だった。
「……いくら頑張っても、男にやってもらって手柄を独り占めしてるって、他の女性社員から言われるんです」
はぁーっと私の口から物憂げなため息が落ちていく。
自分の現実を思い出し、せっかくの高級肉が色褪せていった。
「それは酷いな。
花夜乃さんはきちんと頑張って、自分でやって受けた評価なんだろ?」
「そう……です」
駒木さんは怒っていて、思わずその顔を見ていた。
今まで私の愚痴を聞いた人は多かれ少なかれ、言いたい人には言わせておけと私に我慢を強いたのに、彼は違った。
「そんなヤツは名誉毀損で逮捕だ、逮捕!」
「そうですね、逮捕です!」
真面目に頷く彼がおかしくて、つい笑っていた。
私の話をちゃんと聞いてくれ、怒ってくれたのが嬉しくて、駒木さんに対する警戒がかなり緩んだ。
「ちょっとだけ、飲もうかな」
「いいのかい?」
「はい」
差し出されたメニューを受け取る。
駒木さんのおかげでかなり気分は晴れたが、もうちょっと気晴らしをしたい気分。
一杯くらいなら問題ないはず。
……などと思ったはずなのに。