パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
私との食事を諦めたのか、がっくりと駒木さんの肩が落ちる。
「マイ・エンジェル。
今日は食事を一緒にできなくてすまない。
せめてこれで、なにか美味しいものでも食べてくれ」
私に薔薇の花束を抱かせ、マネークリップから抜いた一万円札を駒木さんは花のあいだに挟んだ。
「え、こんなのいただけません!」
お金を返したいが、両手でやっと抱えられる大きさの花束なので、手が離せない。
「じゃあ、また誘いに来るよ」
「ほら、行きますよ。
じゃあな、篠永。
……これ、着替えが必要だな……」
私に投げキッスをしながら、駒木さんはブツブツ言っている東本くんに引きずられていった。
「……なんか、台風みたいだったな」
一連の騒動が去り、注目していた人々の視線も散っていく。
私はといえば花束を抱いたまま、途方に暮れた。
こんな大きな花束を持って、電車には乗れない。
「……タクるか」
これは駒木さんによって生じた経費なので、もらったお金からタクシー代を払ってもバチは当たらない……よね?
「結婚しよう、マイ・エンジェル!」
翌日も会社を出たら、駒木さんが待っていた。
「今日はお仕事、大丈夫なんですか?」
苦笑いでつい、その辺に東本くんがいないか探してしまうが、仕方ないよね。
「マイ・エンジェル。
今日は食事を一緒にできなくてすまない。
せめてこれで、なにか美味しいものでも食べてくれ」
私に薔薇の花束を抱かせ、マネークリップから抜いた一万円札を駒木さんは花のあいだに挟んだ。
「え、こんなのいただけません!」
お金を返したいが、両手でやっと抱えられる大きさの花束なので、手が離せない。
「じゃあ、また誘いに来るよ」
「ほら、行きますよ。
じゃあな、篠永。
……これ、着替えが必要だな……」
私に投げキッスをしながら、駒木さんはブツブツ言っている東本くんに引きずられていった。
「……なんか、台風みたいだったな」
一連の騒動が去り、注目していた人々の視線も散っていく。
私はといえば花束を抱いたまま、途方に暮れた。
こんな大きな花束を持って、電車には乗れない。
「……タクるか」
これは駒木さんによって生じた経費なので、もらったお金からタクシー代を払ってもバチは当たらない……よね?
「結婚しよう、マイ・エンジェル!」
翌日も会社を出たら、駒木さんが待っていた。
「今日はお仕事、大丈夫なんですか?」
苦笑いでつい、その辺に東本くんがいないか探してしまうが、仕方ないよね。