パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
翌日、会社を出たら、駒木さんが飛び出てきて急ブレーキをかけた。
「NYAIN交換してるんですから、来るなら言ってくれればいいのに……」
「ごめん、ごめん」
私ががぶーたれたところで彼は笑っていて、まったく効いていない。
「これ」
差し出された、駒木さんの指にかかっているのは、大きめのキーホルダーのように見えた。
「防犯ブザーなんだ。
引き抜くと大きな音が出る」
私の手を取って、それを彼が握らせる。
「なにかあったときのために持ってて。
なにもないのがいいけどね」
「ええっと……」
困惑気味に手の中の防犯ブザーを見つめた。
「あ、別に花夜乃さんに、なにか危険が迫ってるってわけじゃないよ?
でも、でも、痴漢とか変質者とか、……通り魔とか、そういうニュースは絶えないだろ?
いつ、花夜乃さんにそういう危険が迫るとも限らないし。
だから」
駒木さんはどこまでも真剣だ。
ちょうど会社を出る前、商店街で通り魔事件って騒ぎになっていたから、それでかもしれない。
犯人はまもなく、取り押さえられたらしいが。
「ありがとうございます」
笑ってお礼を言い、早速バッグの内側にそれを下げた。
「NYAIN交換してるんですから、来るなら言ってくれればいいのに……」
「ごめん、ごめん」
私ががぶーたれたところで彼は笑っていて、まったく効いていない。
「これ」
差し出された、駒木さんの指にかかっているのは、大きめのキーホルダーのように見えた。
「防犯ブザーなんだ。
引き抜くと大きな音が出る」
私の手を取って、それを彼が握らせる。
「なにかあったときのために持ってて。
なにもないのがいいけどね」
「ええっと……」
困惑気味に手の中の防犯ブザーを見つめた。
「あ、別に花夜乃さんに、なにか危険が迫ってるってわけじゃないよ?
でも、でも、痴漢とか変質者とか、……通り魔とか、そういうニュースは絶えないだろ?
いつ、花夜乃さんにそういう危険が迫るとも限らないし。
だから」
駒木さんはどこまでも真剣だ。
ちょうど会社を出る前、商店街で通り魔事件って騒ぎになっていたから、それでかもしれない。
犯人はまもなく、取り押さえられたらしいが。
「ありがとうございます」
笑ってお礼を言い、早速バッグの内側にそれを下げた。