パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「コンペの一次通過した篠永のアイディア、誰かから盗んだという噂があるようだが……」
私を前にし、言いにくそうに課長が切り出してくる。
「盗んでなんかいません。
あれは、私のアイディアです」
あの、オーダーメイド御朱印帳のアイディアは、私が自分で考えた。
一生懸命考えて出したあれを、盗んだものだなんて言わせない。
「そう、だよな」
私の返答を聞いて課長は、あきらかにほっとした顔をした。
「森田さんにもどうして知っているのか聞いても、人から聞いたの一点張りだし。
そいつは誰だって聞いても答えないし。
ただの出任せだろ。
わかった、もういい。
上にもそう報告しておく」
すぐに解放され、会議室を出る。
出たところで視線を感じてそちらを見ると、森田さんが親指の爪をガリガリと噛みながら、憎々しげに私を睨んでいた。
「……覚えてなさい」
横を通り過ぎる際、恨みのこもった声が耳に届き、震えた。
今日もいつもどおり一時間ほど残業して会社を出た。
駒木さんもいつも、この時間を基準にして考えてくれている。
最近、実は終業時間って、入社したときに聞いた時間よりも一時間遅いのが本当では? とか思いはじめていて危険だ。
「花夜乃さん!」
会社を出たところで駒木さんが声をかけてくれる。
私を前にし、言いにくそうに課長が切り出してくる。
「盗んでなんかいません。
あれは、私のアイディアです」
あの、オーダーメイド御朱印帳のアイディアは、私が自分で考えた。
一生懸命考えて出したあれを、盗んだものだなんて言わせない。
「そう、だよな」
私の返答を聞いて課長は、あきらかにほっとした顔をした。
「森田さんにもどうして知っているのか聞いても、人から聞いたの一点張りだし。
そいつは誰だって聞いても答えないし。
ただの出任せだろ。
わかった、もういい。
上にもそう報告しておく」
すぐに解放され、会議室を出る。
出たところで視線を感じてそちらを見ると、森田さんが親指の爪をガリガリと噛みながら、憎々しげに私を睨んでいた。
「……覚えてなさい」
横を通り過ぎる際、恨みのこもった声が耳に届き、震えた。
今日もいつもどおり一時間ほど残業して会社を出た。
駒木さんもいつも、この時間を基準にして考えてくれている。
最近、実は終業時間って、入社したときに聞いた時間よりも一時間遅いのが本当では? とか思いはじめていて危険だ。
「花夜乃さん!」
会社を出たところで駒木さんが声をかけてくれる。