パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
今度は、タルタルソースをたっぷりつけて食べる。
瞬間、私はカッ!っと思いっきり目を見開いていた。

「美味しいかい?」

うんうんと何度も勢いよく頷く。
駒木さんは眼鏡の向こうで目を細め、そんな私を幸せそうに見ていた。

「お腹いっぱいです……」

今日はダイエットなど気にせずに、食べまくった。
もちろん、焼き肉重もカレーも完食どころか半分も無理だったが、残りはぺろりと駒木さんが食べてくれた。

「ケーキはお風呂から上がってからだね」

「そーですね……」

テーブルの上のケーキを見つめる。
それらは美味しそうだが、今は満腹で、入りそうにない。

「お風呂の準備、してくるね」

「お願いしまーす」

駒木さんは浴室へ消えていき、私はソファーでごろごろする。
食べたあとすぐに寝ると、牛になる?
そんなの今日は、気にしない、気にしない。

「うわっ、可愛いにゃんこがいるなー」

「なんですか、それ」

戻ってきた駒木さんが、私の頭の傍に座る。
にゃんこなんて言われたのがおかしくて、ついくすくす笑っていた。

「花夜乃さんは可愛いにゃんこだよ」

彼の手が、私の頭を撫でる。
それが心地よくて、目をつぶった。

「エンジェルよりもにゃんこのほうがいいかも……」

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