パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
気になるけれど、またサプライズを計画していたら悪いし、のぞかないでおこう。

またソファーでごろごろしていたら、思いの外早く駒木さんが浴室から出てきた。

「もしかして、急いであがってきました?」

「いや?」

彼は笑っているが、私を待たせているのが悪いからとか気を遣わせたんだったら、申し訳ない。

「ほらー、今日は花夜乃さんを思いっきり甘やかせるって言っただろ?」

私が気にしているのに気づいたのか、駒木さんが私の頭を軽く、ぽんぽんする。
見上げたら目があって、眼鏡の下で目尻を少し下げてにこっと笑った。
それで気分がよくなってるのはなんでだろう?

「ケーキが入るくらい、お腹に隙間できたかい?」

「あっ、はい!」

食後はお腹いっぱいと思っていたのに、もうケーキが入るくらいの気持ちになっていた。
現金な私の身体め。

「ちょっと待っててね、コーヒー淹れるから」

「あっ、私……」

そこまで言って、口を閉じた。
駒木さんは今日、私を甘やかせると言っているのだ、ここは甘えるべきだろう。

それでもじっと待っているなんてできなくて、冷蔵庫に入れてあったケーキをテーブルに運ぶ。

「だから、なにもしなくていいって言ってるのに」

「だって……」

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