パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
眼鏡の向こうの目は強い意志で溢れている。
それを見ていたら温かいものが私の胸を満たしていくのと同時に、申し訳なくなった。
「……ありがとうございます。
でも、私は……」
「僕は絶対に花夜乃さんを本気にさせるから、心配しないでどんどん頼ってよ」
私の言葉を封じるように彼が口を開く。
口角をつり上げてにっこりと笑われ、なんか気が抜けた。
「まあ、頑張ってください」
……いつもこんなふうに甘やかせてくれたら、好きになっちゃうかも?
なんて思っているのは内緒だ。
駒木さんは送ると言ってくれたが、断った。
そこまでしてもらうのは悪い。
それでも、タクシーで行きなよって押し込められたけれど。
「おはよーございまーす」
私が出勤してきて、部署にいた人間の目が集まった。
昨日の今日だ、仕方ない。
でも、気にしない、気にしない。
職場の空気は最悪だが、課長から上も取りあわないようだと教えてもらって機嫌がいい。
しかし、念のためにコンペのプレゼン用資料制作は会社でのみ行い、課長と共有なんて条件をつけられたのは悲しいが。
翌日には上の対応も周囲の人に知れ渡り、噂は沈静化したように……見えた。
その日も一時間ほど残業して、帰途に就く。
ネットで見た100均の注ぎ口付き袋クリップが便利そうで欲しくなり、寄った。
駒木さんに言ったら、僕も欲しいから買ってきてくれって頼まれたけれど、あの人はこんなものを使うんだろうか?
マンションに帰り着き、鍵を開けて部屋に入る。
「……え?」
それを見ていたら温かいものが私の胸を満たしていくのと同時に、申し訳なくなった。
「……ありがとうございます。
でも、私は……」
「僕は絶対に花夜乃さんを本気にさせるから、心配しないでどんどん頼ってよ」
私の言葉を封じるように彼が口を開く。
口角をつり上げてにっこりと笑われ、なんか気が抜けた。
「まあ、頑張ってください」
……いつもこんなふうに甘やかせてくれたら、好きになっちゃうかも?
なんて思っているのは内緒だ。
駒木さんは送ると言ってくれたが、断った。
そこまでしてもらうのは悪い。
それでも、タクシーで行きなよって押し込められたけれど。
「おはよーございまーす」
私が出勤してきて、部署にいた人間の目が集まった。
昨日の今日だ、仕方ない。
でも、気にしない、気にしない。
職場の空気は最悪だが、課長から上も取りあわないようだと教えてもらって機嫌がいい。
しかし、念のためにコンペのプレゼン用資料制作は会社でのみ行い、課長と共有なんて条件をつけられたのは悲しいが。
翌日には上の対応も周囲の人に知れ渡り、噂は沈静化したように……見えた。
その日も一時間ほど残業して、帰途に就く。
ネットで見た100均の注ぎ口付き袋クリップが便利そうで欲しくなり、寄った。
駒木さんに言ったら、僕も欲しいから買ってきてくれって頼まれたけれど、あの人はこんなものを使うんだろうか?
マンションに帰り着き、鍵を開けて部屋に入る。
「……え?」