パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
そんな人のいるところに出勤するなんて、恐怖しかない。
「……残念ながら、逃がしたって報告が」
言いにくそうに駒木さんが、眼鏡の向こうで目を伏せる。
「……そう、ですか」
じゃあ私は、これからもあの男に怯えながら過ごすしかないのかな……。
「大丈夫だよ!
僕が絶対に花夜乃さんを守る!
今度こそ守るから……!」
駒木さんの声からは悲痛なくらい、強い決意が溢れている。
こんなにも彼は、私を心配し、後悔している。
その気持ちに胸が熱くなった。
とりあえず今日は会社を休もうと決める。
しかし、携帯を壊されたので連絡ができない。
困っていたら駒木さんが携帯を貸してくれた。
「これでかけるといいよ。
番号がわからないのなら、調べてあげる」
「ありがとうございます」
お礼を言って携帯を受け取る。
非常時用のメモを取り出し、そこに書いてあった会社の番号にかけた。
……あの人ととあの男が取りませんように。
祈る思いでコール音を聞く。
『はい、……』
しかし出たのは森田さんでもなければ男性社員でもなくて、ほっと息をついた。
「おはようございます、篠永です。
課長に代わってもらえますか」
『はい』
保留音のあと、課長が出る。
「すみません、今日……ちょっと熱が出て、休みたいんですが」
襲われたからだとか言えない。
それで、嘘をついた。
『わかった、お大事に。
明日も無理そうなら休んでいいから』
「ありがとうございます」
「……残念ながら、逃がしたって報告が」
言いにくそうに駒木さんが、眼鏡の向こうで目を伏せる。
「……そう、ですか」
じゃあ私は、これからもあの男に怯えながら過ごすしかないのかな……。
「大丈夫だよ!
僕が絶対に花夜乃さんを守る!
今度こそ守るから……!」
駒木さんの声からは悲痛なくらい、強い決意が溢れている。
こんなにも彼は、私を心配し、後悔している。
その気持ちに胸が熱くなった。
とりあえず今日は会社を休もうと決める。
しかし、携帯を壊されたので連絡ができない。
困っていたら駒木さんが携帯を貸してくれた。
「これでかけるといいよ。
番号がわからないのなら、調べてあげる」
「ありがとうございます」
お礼を言って携帯を受け取る。
非常時用のメモを取り出し、そこに書いてあった会社の番号にかけた。
……あの人ととあの男が取りませんように。
祈る思いでコール音を聞く。
『はい、……』
しかし出たのは森田さんでもなければ男性社員でもなくて、ほっと息をついた。
「おはようございます、篠永です。
課長に代わってもらえますか」
『はい』
保留音のあと、課長が出る。
「すみません、今日……ちょっと熱が出て、休みたいんですが」
襲われたからだとか言えない。
それで、嘘をついた。
『わかった、お大事に。
明日も無理そうなら休んでいいから』
「ありがとうございます」