パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「お試し期間とはいえ僕は花夜乃さんの彼氏なんだから、なんでも頼ればいいの。
わかった?」

言い含めるように駒木さんは、ふふっと小さく笑った。

「ありがとう、ございます」

それに笑ってお礼を言う。
そういう彼の優しいところが、この頃はいいなって思っていた。

「まあでも、僕としては結婚して、このままここに住んでほしいけどねー」

想像しているのか嬉しそうに、へらっと駒木さんは笑った。

「そーですねー、こんな素敵な家に住めるなんて、悪くないですね」

「ほんとに!?
じゃあ、今すぐ婚姻届にサインを……!」

どこから出したのか、私の目の前に婚姻届が出現する。
てか、もしかしていつも、持ち歩いているの?

「でも、駒木さんが私を本気にさせられたら、ですよ。
せいぜい、頑張ってください」

熱い頬に気づかれないように、ふざけて誤魔化す。

「僕は絶対に、花夜乃さんは本気になるって確信してるけどね。
じゃあ、お風呂の準備してくるよー」

私に向かって片目をつぶり、駒木さんはリビングを出ていった。
落ち着いたら、彼にはちゃんとお礼をしよう。
そのときには私の気持ちも、決まっているかもしれない。

「花夜乃さーん、僕もそろそろ寝るねー」

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