6月のシンデレラ
いや、今は理由なんてどうでもいい。
0時まであと2時間もない。
一刻も早く永美里を探し出さないと――…!!
「永美里の携帯のGPSから探そう!
父さん、極秘で捜索を頼めるような警察官はいますか?」
「いるにはいるが…」
「念のために捜索をお願いします!」
「わかった」
警察に相談するな、とは言われたがそういうわけにもいかないので、ここは父に任せることにした。
「青人!僕も行くよ!」
「私も!」
「ありがとう」
俺は巧、舞子さんとともに永美里の携帯のGPSを頼りに駆けずり回る。
幸いにしてGPSは動いている。
携帯を永美里自身が持っているのかはわからないけど、これに関しては祈るしかない。
「ここは……?」
GPSを追って辿り着いたのは、輸送コンテナが沢山積まれている場所。
恐らくレンタルコンテナだろう。
この中に永美里がいるってことか?
「永美里ーーーーっ!!」
大声を上げて永美里を探し回った。
頼む、ここにいるなら返事をしてくれ。
「青人、もしかしてだけど…」
「……っ!!」
巧の言葉を聞き、ハッとして急いで調べた。
調べた場所に走って向かい、もう一度大声で叫ぶ。
「永美里!!いるなら返事をして!!」
「永美里ちゃーーんっ!!」
「永美里ーー!!どこなの!?」
三人でコンテナを一つ一つ見て回る。
今はもう23時45分。
あと15分で永美里を見つけ出すことができるのか――……
「永美里……っ!!」
その時、とあるコンテナから――