6月のシンデレラ
もう、ダメなのかな?
私、ここで死んじゃうのかな?
青人さんに会えないまま……。
青人さんが祐巳姉さんと結婚なんてあり得ないけど、万が一なんてことがあるのかしら。
いいえ、ないわ。
青人さんは私を愛してくれているんだもの。
「…っ、たすけて、はるとさん……」
私の体が凍り付く前に――
「…みり、永美里っ!!」
朦朧とした意識の中で、ハッとした。
この声は、青人さん……?
「永美里!!いるなら返事をして!!」
青人さん……っ!!
私はヨロヨロと起き上がり、そのまま転んだ。
靴が片方脱げていたせいで、上手く立たなかった。
「っ、はると、さん……っ」
寒さのせいで上手く声が出せない。
何とかここにいるって伝えないと……。
その時だ。
「永美里!!ここにいるの!?」
私のいるコンテナに向かって叫ぶ声と、ドンドンと扉を叩く音が聞こえた。
「はるとさん…っ!わたし、ここよ……!!」
お願い、気づいて――…っ!!
「――永美里っ!!」