6月のシンデレラ
……扉が開いた。
目の前には、息を切らして汗だくになった青人さんがいた。
「永美里!!」
「青人さん……っ!!」
青人さんは私を強く抱きしめ、そのまま抱っこして外に出してくれた。
自分が着ていたジャケットを私に掛けてくれる。
「永美里っ!!」
「永美里ちゃん!!」
舞ちゃんと巧さん……二人も来てくれたのね。
「今すぐ救急車呼ぶから!!」
「永美里、しっかりして。こんなに冷たくなって…」
青人さんはもう一度私を強く抱きしめる。
青人さんの温もりと優しい匂いに安心して、ボロボロと涙が溢れた。
「は、はるとさん……っ!!」
「もう大丈夫だよ……」
怖かった、もう会えなくなるかと思った……。
でも、迎えに来てくれた――。
「うっ、うっ……」
泣きじゃくる私の頭を撫で、ぎゅっと抱きしめてくれた青人さんの手は震えていた。
「無事でよかった……永美里に何かあったら、俺は……」
青人さん、泣いてるの……?
そんなに心配かけてしまったなんて……。
ごめんなさい、心配かけてごめんなさい。
私のこと、見つけてくれてありがとう――…