6月のシンデレラ
「永美里さん…!無事でよかった…っ!!」
お見舞いに来てくれたお母様は、泣きながら私を抱きしめてくれた。
「本当に無事で何よりだ。怖い思いをしたね」
お父様も優しく慰めてくださった。
「お父様、お母様…心配をかけてごめんなさい」
「永美里さんが無事ならそれで良いんですよ」
「家族なんだから、心配するのは当然だ」
「ありがとうございます…っ」
私ももう家族の一人に入れてもらえている。
それが何より嬉しかった。
「永美里!本当に心配したんだから…っ!!」
「舞ちゃん…!ごめんねっ」
舞ちゃんもわざわざ駆け付けてくれて、ものすごく心配かけてしまった。
泣きながら抱きしめてくれる舞ちゃんが、やっぱり私にとってのお姉ちゃんだと改めて感じた。
「永美里ちゃん、ほんとによかったよ」
「巧さんが冷凍コンテナにいるって突き止めてくれたんですよね。ありがとうございます」
「いやいや、大したことしてないよ」
巧さんは膨大なレンタルコンテナの中から、祐巳姉さんが借りたコンテナが冷凍コンテナだと突き止めてくれた。
一歩遅かったら間に合っていなかったのかもしれないと、本当に有難い。
「舞子さんって永美里ちゃんのこと、本当に大事に思ってるんだね」
「当たり前じゃない」
「そういうところ、すごく素敵だなぁ」