6月のシンデレラ


そう言って、青人さんが見せたのは、小さな小さな小箱。
開いた小箱の中には、ダイヤモンドの指輪がキラキラと輝いていた。


「えっ!これ……」

「エンゲージリングはいらないって言ってたけど、やっぱり俺がして欲しかったから」


だって、結婚指輪も買ってもらうことになってたから…婚約指輪はなくてもいいかなって。
あまり負担をかけたくなかったのだけれど、いざ目の前にするとすごく嬉しい……。


「それと、ちゃんと言ってなかったなと思って…」

「え?」

「これからは何があっても永美里を守るし、ずっと傍にいる。一生幸せにするから、俺と結婚してください」


――まるでドラマのワンシーンみたい。

空と海の青が溶け合う景色をバックにして、ダイヤモンドの指輪を持って跪く青人さん。

堪え切れない涙を流しながら、私は大きく頷いた。


「はい……!」


青人さんは優しく微笑んだ後、立ち上がって私の左手を取り、薬指に指輪を嵌めた。
ピッタリと嵌まるその指輪は、陽の光に照らされて一層輝きを増す。


「青人さん、大好き…!」


私は思い切り青人さんに抱きついた。
大きな腕で私を受け止めて包み込んでくれる、あなたが好き。


「俺も大好きだよ」


これからも、ずっと――


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